ちょっと深めのひじ皿

ひじ皿が生まれた背景

陶芸に関する古い技を見たとき、お墓の陶磁器を作る女性陶芸家がいました。
肘を型枠として使い、線香のための受け皿を作っているのを見て
「体は昔から使われる道具だ」と確信し、すぐに体を使ったお皿を作りたくなりました。

私にとって陶芸は電動ろくろを使ったり、大きな道具を使って作るのも楽しいのですがより自然な作り方も好きで、今回のように体を使った作り方を見つけると
試したくてワクワクします。昔の人は今のようにいろんな電気的道具は無かった時代に試行錯誤しながらもあらゆる形の陶器を生み出しました。
そんな先人たちに敬意を表しながら、私たちも人間が持てるいろんな可能性を試しながら、使いやすい陶器を生み出していきたいです。

使いやすい陶器を作るということ

美味しい物を食べるとき、粋な食器で提供してくれるお店は見た目にも美しく、食べても美味しい素敵な時間を作り出してくれます。でも家でごはんを食べるときには、使いやすくて優しい色のお皿を使ったほうが食べやすいですよね。

時々はおしゃれもいいけれど、やっぱり自宅は落ち着く空間であってほしい。
ごはんを食べるときに落ち着いた気持ちでいると、心にも体にも良いそうです。
一緒にごはんを食べる人とも、ゆったりと落ち着いた雰囲気で食べることでいろんな話題について楽しく語れます。友人、家族、パートナーと共に素敵な時間を過ごしてほしい。一人で食べるときにも、落ち着いて安心してごはんを食べてほしい。

より自然な作り方で、落ち着いて食べられる空間になりますように。
そんな気持ちからこのひじ皿はできました。