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金継ぎをやってみたいと思ったから京都に行ってきた
金継ぎは、欠けたもの、割れたものを漆と金紛で繋ぎ合わせる手法の名前です。古来から受け継がれている技法で、その歴史はとっても古いんです。
何年も金継ぎをやってみたいと考えていたAnnaと
ずっと日本で暮らしていてずっと金継ぎを見ているけどもやったことはなかったRyo。「それじゃ、2人で金継ぎしに行こう!」と京都へ旅に出ました。
金継ぎ体験ができる場所は京都に沢山あります。観光客に向けたところや、本格的に金継ぎが学べるところなど。観光客に向けてのところは短い時間で簡単に出来るけれどお値段がちょっと高め。それに比べて本格的に習えるところは3日間や教室に入ってするところばかり。
大阪から京都に2回以上通うのはちょっと大変なので今回は「1日完結型」を探しました。
これが案外探すのに大変!
やっとの思いで探したところが京都の桂にあるKristina Mar陶芸教室。
先生はポルトガル出身の陶芸家さん。なんだかピンときました。
スペインとポルトガルはお隣さん同士。日本で長く暮らしている方でもあります。(いろんな意味で)Annaの大先輩や!と思い、すぐに予約しました。
素晴らしい落ち着いた工房
阪急京都線桂駅からバスに揺られて15分ほどのところに
Kristina Marさんの工房はありました。
閑静な住宅街という言葉がぴったりな、静かな雰囲気の場所。
ちょっと坂道を登っていけば、指定された住所の前に到着。
扉を開けて出迎えてくれたKristina Marさん(本名はMartaさん)は
落ち着いた素敵な女性でした。
一歩中に入るともうそこは、陶芸作品と木が素晴らしいバランスで配置されている落ち着いた空間。
Annaとともに「素敵すぎる!」と声に出していました。
金継ぎの歴史とそのやり方がとても奥深い
金継ぎの歴史は古く、漆を用いた修繕のはなんと縄文時代からあったそう。
縄文時代は、今から13000年くらい前から2300年前!!
漆で接着するというのは、漆という木の樹脂から作られるものを使って接着するという意味。もとは木製の製品が割れたり欠けたりした時に漆を使って繋ぎ合わせていた手法です。それが室町時代に金粉で覆うようになったと言われています。平安時代にはすでにあった「蒔絵」の技術と「漆」の技術の合体ってことですね。
中国からの技術かとおもいきや、金粉で覆う金継ぎは日本の伝統技術だそう。
全く知らんかった!! ええ勉強しました。
漆の樹脂をつかって、くっつけて、そして最後に金粉をまぶしていく。
これがざっくりと説明した金継ぎのやり方です。
漆の木は、触るとすぐにかぶれてしまうので有名。ひどい時には病院に行かないといけないですよね。なので漆細工をするときには細心の注意が必要。
どのように手を動かすのか、どうやってくっつけるのか、どうやってお皿を持つのかをかなり綿密にシミュレーションするそうです。
そして、決まったら漆が乾いてしまわないうちにサササっと作業を行う。
無駄な動きは一切なし。
この動きだけでも芸術やと思う。
そして、今度は金粉をまぶしていく作業に移るけども、今度はゆっくりゆっくり息を殺して作業をします。
なぜか?
手早く動かすと金粉が舞い散ってしまうんです!
※照明に照らされる金粉はめちゃくちゃキレイやけど吸い込むと体に良いとは言えません。
熱心に、熱中して金継ぎをする時間はめちゃくちゃ贅沢。
何よりも丁寧に所作、道具、歴史、そして方法を教えてくれたMartaさんに大感謝です。
完成されていない自然美
日本独特の「美」は、完成されていない自然なものを愛でることが多いですよね。完璧な左右対称は自然世界にはありえない。なので、その不完全な形を愛し崇める文化。そしてもったいないと思う心も日本的だと思います。
なので欠けてしまったり、割れてしまったものを再利用しよう。そして再利用するならちょっときれいにしましょうか。というのが金継ぎの根底的な心なんやと思います。
実際自分たちで体験した金継ぎもとても美しい完璧な芸術作品!ということではないけれど、味のある、趣のあるものに変わりました。
ひと手間を加えることで再度長く使えるものとする。
世界中で今、金継ぎが改めてスポットライトを浴びているのも分かる気がします。エコの精神ですね、ホンマに。
1回やってみたい!と思う方、ぜひ京都へお越しの際は
Kristina Marさんの金継ぎ体験へ。陶芸体験もできるそうです。
Kristina Marさんと陶芸TocotonのAnnaとRyo
【Kristina Mar工房】
https://kristinamar8.wixsite.com/kristinamarartstudio
日本語・英語・ポルトガル語・スペイン語・フランス語が話せるそうです。
めちゃくちゃ分かりやすい説明で金継ぎの新しい世界を知ることができました。ありがとう、Martaさん!