シリーズ「陶芸と人々」のインタビュー:陶芸専攻の学生、ノエリア・フェリアに聞く

シリーズ「陶芸と人々」のインタビュー:陶芸専攻の学生、ノエリア・フェリアに聞く

今月は、シリーズ「陶芸と人々」の第4回目、ノエリア・フェリアスさんのインタビューをお届けします。テラサで陶芸を学ぶ彼女は、粘土との触れ合いをどのように体験しているのか、私たちに語ってくれました。


実はノエリアさん、Annaの親友であり、とても繊細な人。今回はわざわざ時間を割いて私たちの質問に答えてくれました。


陶芸をしたいけれど、なぜか勇気が出ないなとお考えの方がいたら、ノエリアさんの言葉を聞いて、とりあえずやってみよう!と思ってもらえることを祈ります。


なぜ陶芸教室に申し込もうと思ったのですか?


Annaが陶芸をしているのを見て興味を持ちました。この世界に触れているときのあなたはとても楽しそうで、陶芸に対する好奇心を私に伝染させちゃったみたいですね(笑)


私がクリエイティブなことを探していたことも後押ししました。仕事以外の世界では、私は何もしていませんでした。自分の手を使うようなことをしたかったんです。



どこで陶芸を勉強しているのですか?


テラサの公立美術デザイン学校です。週に1日、3時間通っています。今年から始めました。


他の人と一緒に授業を受けることでどんな事を得られますか?


学校の授業計画で義務付けられているので、生徒全員が同時に同じテクニックに取り組んでいます。クラスメートがある作品作りで問題を抱えているとき、どうやって解決していくかを見ることができますし、自分の作品作りの練習にも役立ちます。私たちは一緒に練習し、助け合います。みんな初心者だから、助け合いが必要なんですよ。



初めて粘土に触れたとき、どんなことを感じましたか?


私にとっては、自然で尚且つ形を作ることが出来る素材は、とても心地よい感覚でした。陶芸を作るための動きは私の手次第で、とても感覚的でした。匂い、粘土が持つ小さな石ころに気づいたり。私にとっては、本当に感覚的な経験でした。幼い頃、1種類の粘土にしか触れたことがなかったから、今になって、粘土にはさまざまな質感があり、さまざまな香りがあることに気づいたんです。



窯から出てきた作品を初めて見たとき、何を感じましたか?


興奮でした!先生も、工程のどこかがうまくいかないと、作品がうまく出来上がらないかもしれないと説明してくれたのですが、あの日も、作品がちゃんと出来てるかな?もしかして、私、学校の窯を爆発させてしまったかな?と考えていました(笑)より美しく、より醜く、自分の作品が出来上がったとき、とても驚くし、嬉しい感覚を味わうことができます。



陶芸をやってみたいけど、うまく作れないんじゃないかと思って踏み出せないでいる人たちに一言お願いします。


私はあまり経験がないのですが、粘土を触り物を作るということは、気に入った作品ができるということ以上に、土を触っている間にこそ醍醐味があります。まるで土の気持ちを読み取るようなものだと思っています。この感覚は、作品の結果が気に入るかどうかは別として、とても壮大な経験となって自分自身に返ってきます。


また、最初に学ぶ技術だけでもかなりの作品をつくることができます。とても豊かな作品を自分自身で作り出せるのは、嬉しいご褒美ですよね。


初心者として、作品制作の全過程の中で最も難しいことは何だと思いますか?また、指導する際、先生はどのような点に注意したほうが良いと思いますか?


私にとって最も難しいことは、土の作品が窯から出るまでに必要なすべての手順を理解することです。初心者は最初から、とてもシンプルな作品を作るのに、たくさんの知識が必要だと思うでしょう。そう、最初は圧倒されるかもしれないけれど、最終的には、練習を重ねることで習得していくものなので、繰り返しやると覚えてきます。


教える側になった時にはきっと、生徒にとって一度にたくさんの情報が必要になることを、教える側が理解するようになることが大切だと思います。陶芸で使われる材料は大体が初めて見たり聞いたりするものばかり。土の種類や性質を学びながら釉薬の種類なども同時に覚えていかないといけない......多くの情報があり、最初のうちは多すぎるかもしれません。

でも、途中で投げ出したりしないでください。

繰り返しているうちに、少しずつ覚えていきます。



自分で作ったモノと買ったモノの間に大きな違いがあると思いますか?


審美的には、すでに明確な違いがあります。手作りのモノを買ったり作ったりすると、その人の作品が見えてきます。たとえそれが皿のような実用品であっても、人の手が加えられていることがわかる。私にとっては、これは工場などで大量生産されるものとは比較にならない価値があります。


手作り作品に対する対価の観点では、もっと評価されるべきだと信じています。

たとえ工場のものに比べて高くても、それは人が時間をかけ手で1つ1つ丁寧に作った証であるということ。そこに価値を見出していける人が増えると嬉しいです。



作陶をしているとき、どんな気持ちですか?


楽しいことをして生きているので、不安や不満を感じたことはないですね。うまくいかなくても何も起こらないです。いつも集中してリラックスしています。陶芸には集中力が必要です。土と対話を始め、その素材がどのような動きをするのか等を読み取ることを学ばなければなりません。陶芸はリラックスできますが、常に土と自分の感覚を繋いでいないといけません。



陶芸を楽しみ、気に入った作品を作るためには、手先が器用でなければならないと思いますか?


陶芸を始めるのに、技術を知っている必要はないと思います。まずは始めたいと思う気持ちろん、さまざまな技法があり、難易度も異なりますが、少ない技術で多くの種類の作品を作ることができ、とても楽しいです。しかも、感覚的に楽しむだけで、土が自分にどんな動きを要求しているのかが分かってくるんです。繰り返しやっていると結局、必要な動作はごく自然に、いつの間にか身についていきますよ。

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